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契約的束縛・誘惑なる秘密
第21章 日本ー遺物の秘密とルークの葛藤

「自由自在だな遺物の意思は」

「それがアリアンなんです本郷さん
でも悪気でやっている訳ではないから」

「美波の膝ー!」

ああ、次はそう来るの宮野さん?
もう早い者勝ちと言いたい気分。
でも……私はアリアンが自由にしている方が良いと思う、こんな事を考えちゃダメ??
アリアンが居なくなった私の膝に宮野さんがダイブして一件落着かと思いきや、今度は仁科さんが神妙な顔をしてる。

「……そこまで自由ではありませんよ
今でこそこうですが、気の遠くなるような年月をアリアンは1人で過ごしたんです
自分に意思がある事すら忘れ、ただの遺物として……」

「仁科さん、それは……」

「知っていてほしい、多少の私の我が儘が入っていますがね」

仁科さんとアリアンから見せてもらった過去の記憶。
それはアリアンに取って、決していいものではなかった。
遺物として機械的に管理する、ただそれだけを何千・何万年と繰り返したのがアリアン。
仁科さんという引き金がなかったら、アリアンは今でも同じことをしていたとは思うよ。

「それは仁科より長いという事か?」

「私?
アリアンから比べれば、赤子の類でしょう」

「赤子って……」

「事実そうなんですから、そう答えるしかないんですよ宮野
……ですから、私はアリアンの行動を止める気はない。漸くの自由ですので」

「私も仁科さんと同じ事を思うの
だから、少しくらい我が儘をしても見逃して、ね、本郷さん、宮野さん」

「「…………」」

2人共、それに頷いてくれた。
……良かった。
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