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契約的束縛・誘惑なる秘密
第21章 日本ー遺物の秘密とルークの葛藤
「仁科様が……」
考えて見れば当たり前の話。あの方に隠し事など出来ない、そんな事は百も承知しているのではないか自分は。
百年以上一緒に仁科様……いや、盟主と共に行動していたんだ、自分の性格なぞお見通し。
そして、不思議なことに女性の好みも。
「……自分は……一度失敗している」
「それはルークのせいだけじゃないと思うな僕は。
合わない時は仕方がないんだよ。僕達は時が違う、普通の人間と生きる長さが違う
でも、それが僕達でしょう?」
「違う道もあったのではないか?
ギリギリまで一緒に居てあげる事も出来た筈なのに、自分は簡単に手放して……」
この話は嫌いだ。
記憶にはあれど、心の片隅にしてしまった過去。
思い出せば、幸せと後悔が自分を襲う。
そして……八神様を見ていると、どうしても被ってしまうのは偶然なんかじゃない。
似ているんだ、見た目ではなく、その心が……失ってしまった彼女に。
あの頃の盟主が、知らずといえ彼女に好意を持っていたのと同じ事だ。
「一緒に居たとして、最後はどうなったの?
どの道、悲しい運命からは逃れることが出来なっかった、違う?
でもミナミだったら、悲しい事になんてならないじゃないの。
だってミナミは盟主だもん、ルークと同じ……うんん、それ以上に長い人生があるんだ」
「それでも八神様は仁科様のモノです。」
「ミナミはどう思うかなぁ?」
「八神様?」
「来た者を全て受け止める天使の性質、それがミナミだよ。
ルークの心も受け入れる、僕はそう思う」