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契約的束縛・誘惑なる秘密
第21章 日本ー遺物の秘密とルークの葛藤
盟主は言われた、自分より八神様の方が皆を包む盟主らしいと。
無意識の心の違い、そして自分はあまりにも手が血に染まり過ぎてしまっているとも。
それが仁科様と八神様の違い、神と悪魔の中間なる存在。
この世に2人しか居ない希少種という稀有なる者。
「全てを語れとは言わないよ、でもミナミと話をしてみても良いんじゃない?
最近は避けてるでしょうユウトとミナミを」
「……自分が余計な一言を言ってしまったので」
「気にしてるんじゃない?それはルークも同じかぁー
それじゃあ僕は行くけど、考えてよね」
「分かりました」
アリアン様は部屋を出て行ったが、自分は部屋から出る気にすらなれず。
……過去の思いと今の思い、同じとは言わない、別人だって理解はしている。
「でも……」
一緒にドイツへ、本部遺跡に行ってから……いや、その前に日本で初めて八神様を見た時から、惹かれていく自分の心には気づいていたが、まさかアリアン様に言われる事になろうとは……
遺物の意志は、どこまで知っているのだろう?
「愚問か、遺物は全てを見通す
自分の心の中まで知れているんだろうな」
それはさておき、問題は自分が言ってしまった方、上手く言い逃れ出来るのだろうか?
今はまだその時ではない。目覚めなければ自分は一生無言を貫く、そう誓約した。
「目覚めて欲しいのか、このままで居て欲しいのか、自分でも分かりかねる」
どれが正解なんて……無い。
ただ自分は見守るしかない。そう、全ては本人次第なのだから。