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契約的束縛・誘惑なる秘密
第22章 日本ー仮拠点完成

「早急に連絡を取り、山形県に行かせます。
代替えの端末は向こうが用意した物になってしまいますが、別段構いませんね?」
「ああ、餌との連絡手段、それだけの話だからな。
それより誰を面接に行かせるか、俺達の誰も面接には関わっていないのが痛い」
「面接を受けたのも、面接に立ち会ったのも、唯一美波だけでしょう」
本郷さんも外を担当していましたが、面接となると強面の顔に難があると、主催は本郷さんを面接の場に入れる事は無かった。
見た目と、そのプレイスタイルのせいでもありますが。
「仁科が合っているんじゃないか?」
「私?」
「その話し方だ、女でも男でも引っ掛かる」
「はぁ……。
引っ掛かるは少々……これは地です、意識して話している訳ではありません」
「だったら尚更だ」
私に面接をやれ……と?
出来ない事は無いとは思いますが、別の勘違いも生まれる可能性があると本郷さんに言えば、どんな顔をされるか。
(此を言っても……此方が虚しくなるだけですね)
人の心を掴むのは可能。
人とは違うからこそ、人の強い部分も弱い部分も見えてしまう。
本郷さん達のように、意識が人並以上に強い者はいい。ですが普通は心とは虚い弱いもの。
……それを見つけ餌にして来た私。
だからでしょうか、面接というものに拒否の反応が出るのは?
(すっかり前に戻ってしまっていますね)
美波というファクターで、ドイツを飛び出す前に戻ってしまった私の感覚。
だからこそ、一般人とは距離を離したい。此処は日本、下手な事は出来ない国。
……なのですが。

