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契約的束縛・誘惑なる秘密
第23章 香港ー再びの二首龍
今回は前回の反省も踏まえ、二人揃って帽子を被り極力目立たないように注意はしてる。
幾ら観光客が多い九龍でも、私と仁科さんの色彩は目立つと分ったから。
それに、この姿は狙われている。仁科さんはどちらの姿もだけど。
「日本に行っていたんだってな、面白かったか日本は?表は良いが、内々じゃ良い話など聞かん」
「そうですね、表向きは平和そのものですよ。ですが裏は纏まりがありませんが」
「1年以上前か、日本であんな事件があったからな」
そう、タイランさんはあの事件の事を私達じゃないと思ってる。
事件を起こしたのは日本に居た桜澤さん達、これで通っているんだもの。
でも他の人から聞くといい気分にはなれないのは何故?
……やっぱり桜澤さんだったから。その思いは強いとは思う。
「日本の事より、香港はどうかしら?
あれから調教師は増えて??」
「かなり怪我から復帰したが、今度は調教師が引き抜かれている。有無なく強制的にだ」
「それは拉致と言いませんかタイラン」
「そうとも言うな。誰1人帰っては来ない、調教師をさせる為ではなく違う目的……だろう」
「では相手はツインドラゴンでしょうかね」
「多分な。事実を見たヤツは居ないんだ」
「……迷惑な話ね」
またツインドラゴン。私と仁科さんは居なかったのに、手を出していたなんて。
それとも違う意図があるの?
でもそれじゃ危ないのは、本郷さんと宮野さんの方。どうしよう二人に手を出されたら私……。
(絶対にさせない、本郷さんと宮野さんを失うなんて嫌!)