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第23章 香港ー再びの二首龍

こう何度も香港に来る事になれば、片言でも挨拶会話は必須だろう。
ドイツに中国と、言葉で苦労する。そういえば、仁科はともかく美波はよく中国語まで話せるな。
……何となく仁科が一枚噛んでいるようにも思うが。

「本郷さん？」
「……あぁ、すまん。
今日は縄は無しで、普通の緊縛のみ。衣装その他、女の準備は此処のスタッフがやるらしいぞ」
「本当に調教だけ。
それが普通の調教師だって、後から知ったからなぁ俺って」
「最低限は知っていたが、初めがあれだ、中々慣れん」
「持ち回り多かったしー」

主催の頃は、こんな大きなCLUBじゃなかった。
俺達４人そして美波、後数名のスタッフそれだけ。だからこそ一人の持ち回りが多く……そろそろ過去話になるのか。
ただし、仁科が日本でやろうとしている事が実現すれば、また少数精鋭で持ち回り多く動く事にはなるんだろう。

「あれ、本郷さんお得意のナイフは？」
「ん？小形ナイフなら借りたぞ。香港入国にサバイバルナイフなぞ持って入れんだろう宮野」
「あ、そっか。
いやさ、本郷さんといえばそれだったから」
「余裕があったら調達する。小形じゃ持った気にならんな。
……じゃ行くか。宮野は後から、それで始める」
「オッケー！」

手に乗馬鞭だけを持ち、宮野を舞台裏に置いて、俺だけ舞台へと上がった。
そこには吊るされた女が一人。ラバーランジェリーが似合うのかすら分からん女、此が調達対象か。