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契約的束縛・誘惑なる秘密
第23章 香港ー再びの二首龍
桟橋に出迎えた従業員と話をし、俺達が通されたのは二階の個室。
どの部屋も海に面し見晴らしは良いらしい。
「内装めっちゃ豪華だぁ!」
「此が香港というか、中国という感じだな。
香港島は近代化しているから、こんな雰囲気も悪くない」
「いかにもアジアってのが良いんだ俺。
ほら、ずっとアメリカだったし……まぁ、アメリカでもチャイナタウンはあったけど、やっぱり違うんだよ」
「タンザニアは微妙だぞ?
アフリカとヨーロピアンの混在……香港もそうだがな」
一体幾らするんだと言わんばかりの卓に座り、俺と宮野が注文したのはコース料理。
だが、量が多いというのを忘れていたな……今から思い知るんだが。
次々と出される料理に、嬉しいやら、どうすればいいのやら。
それでも、普通には食べれない食材が並べば食欲も湧く。
「フカヒレの姿煮って、俺初めてだ」
「こっちではナマコは高級食材だったな、それに海鮮中心なのが良い」
「言えてるー!
蟹、海老、白身魚、何れも美味しいんだって、ただ全部食べられるかなぁ?」
「俺も宮野も食う方だが、全ては無理だろ。食べられるだけ食べれば良いんじゃないか?」
「だよね。本郷さん良い事言う」
「からかうなよ宮野」
食事をしながらのたわいもない話、こんなのも久し振りのような気がする。
ずっと気を張っていたのか俺は?
いや張っていたんだろうな。大なり小なり事件の連発だったんだ。