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契約的束縛・誘惑なる秘密
第23章 香港ー再びの二首龍
理由は理解した。
どの国もそうだが、有名観光地ともなると目が五月蝿く見張っているもんだ。
ふと二人を見れば、耳の階級ピアスは着けたまま、此をリークされ襲われたくらいは分かる。
(ナンミンだったか、もう少し骨があると思ったが見込み違い)
仁科様が言うカイザー、それには遠く及ばない戦闘力、ただの肉体強化だけではあんなものなのか?
それでも普通の人間では太刀打ち出来ないんだろう。
「頼むから大人しくしてくれ、でなければ自分の仕事が増える」
「すまん」
「……わりぃ」
それとなく懲りたとは思うが、この二人では何時また何をやらかすか、自分でさえ予想の範囲外なんだ。
それは仁科様や八神様も同じ、揃って行動が読めないのだから此方も困る。
無闇矢鱈に突っ込みはしないとは……断言出来ないのが痛い。
◇
私と美波は早めにショーが終わり、マンションに戻って来ましたが、本郷さんと宮野がまだ戻って来ないのが気になります。
ショーの前にルークには指示を出しましたが、さてどうしているのやら?
「遅いですね本郷さんと宮野さん」
「二人の方が、このマンションに近いというのに、ショーが長引いたんでしょうか?」
美波に淹れて貰った紅茶を受け取り、小さくため息を吐き出す。
あまり良い予感はしない。
タイランの話によれば、調教師を無差別にでした、それに本郷さんと宮野が巻き込まれなければ良いですが、確率的には半々と言ったところでしょうね。