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契約的束縛・誘惑なる秘密
第24章 香港ー周到なる罠
よくよく話を聞けば、盟主双方から祝福をされるらしく、自分は仁科様から既に受けていたと思っていたらしい。
……これに関して言えば、仁科様の確信犯、とも捉える事が出来そうだ。
「あの方ですから、自分に祝福など贈ってもと思われておられるのではないでしょうか?」
「もう仁科さんったら!」
自分を目の前にして、少しだけ怒りを露にされる八神様を見て……。
「……えっ?
こ、これで笑うのルーク??」
「???
笑っていますか自分は?」
「うん、普通に笑ってるよ。
初めて見たルークの笑顔、優しい笑顔ね」
「…………」
笑ったつもりは無かったが、どうやら自分は無意識のうちに笑っていたらしい。
八神様の祝福。
心が暖かくなる祝福は伊達ではなかったよう。
「その方が良いと思う。
内に籠らないで、ちゃんと外を見て、それが私と仁科さんのルークに対する願いなの。
他の人と同じように、普通にしていて欲しい。
賢人や責務なんか関係なく、ルークらしくで良いのよ。
時の呪縛に囚われないで、心優しいルークなんだから、素直に笑うルークの方が私も安心出来るし、みんなも安心出来ると思う」
「ですが性格までは流石に……」
元来あまり笑わない自分なのに、笑えと言われても些か困る。
笑わない訳じゃない、昔は笑っていた時期もあった。
仁科様には笑っていないと思うが。
「性格は私もだから。
直らなかったでしょ?
盟主らしく行動なんて絶対無理だもの、此だけはルークの事は言えないかも」