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契約的束縛・誘惑なる秘密
第24章 香港ー周到なる罠

「くすくす、冗談なのに。
でもルークに冗談は通じないって本当ね」
「誰がそんな事……はぁ、一人しか居ませんか」
「本当に待つから。
だから今は……これだけ……」
「……っ!」

今度は八神様が動き、自分を抱き締めてくれる。
背中に手を回し、ゆっくりと撫でるように広がっていく温もり。随分と昔に感じた心地よさ。
まさかこんな時に思い出す事になるとは、自分でさえ予想だにしていなかった。

「…………」

少しだけ甘えたくなる。
抱き締められているのを良いことに、そのふくよかな胸に頬を付ければ、下着を身に付けていない事に気付いてしまった。

(豊満で柔らかい弾力)

調教師衣装一枚越しに感じる、魅惑的な感触。
八神様は気付いているのに何も言わない、ただ自分の背中を撫でているだけ。
これだけなのに、やましい事もなく触れているだけなのに、心の何処かで安らぐんだから不思議だ。

そんな八神様が、ふと口を開く。

「ルークありがとう、そして……ごめんなさい。
……今日だけは見逃して」
「八神……様?
……っっ!?」

ピリッと、自分の躰に電気が走ったような……。
多分これは八神様のお力。

「……くっ」

急に意識が朦朧とし出し……振り切ろうとするが、盟主の力に敵う筈も無く、意識が闇に飲まれる。

「……な……ぜ……」
「どうしても気になる事があるの。
折角ルークが歩み寄ってくれたのに、それなのにこんな事をして……ごめんなさいルーク、この埋め合わせは必ずするから」
「やが……み……さ……」

すまなそうに話す八神様の謝罪の言葉を聞きながら、自分の意識は力に耐えきれずに、そこで途絶えた。

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