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契約的束縛・誘惑なる秘密
第25章 香港ー囚われの美波

「消えたっていうか、突然店を開けなくなっただな。
それに関しては、俺達はなんの説明もされてない、オッチャン自身にも会えてないんだからなぁ」
「……レンさん、あなたは?」
「俺??
ウードゥと変わらないと……思う」
「…………?」

レンさん今、一瞬言葉を濁さなかった?
日本に居た頃の私と違い、人の行動口調に敏感になってしまった私。
人と少し違うからこそ、人の仕草がよく見える。前に仁科さんが言っていた話だよね。

「……レンさんは何を知っているの?
ミングイさんとロンチャンさんがショーに居たのを、レンさんは知っていたんじゃないのかな」
「俺ー!?
まさかぁー!
だってウードゥと一緒にショーを見てたんだよ、知るワケないじゃん!」
「レン?」
「レンさん」

必要以上に話す時は、何かを隠しているサイン。
そしてウードゥさんも疑問に思ったみたい。

「そう言えば、今日急にショーに行きたいって言いだしたよなレン。
普段はCross selsのCLUBには近付かないお前なのに、偶然にしては出来すぎじゃねぇか?」
「勘繰り過ぎだよウードゥ。
行く前に説明したじゃん、サザンクロスが戻って来ているらしいから見に行こうって」
「……それ、誰から聞いた?
ミングイのオッチャンが居ないのに、よく分かったよな」
「……それは」
「ツインドラゴンの方から、違う?」

私達が香港に戻って来て一週間足らず、その間にショーに出たのは数回程度なの。
それだけで知るのは……Cross sels側に内通者が居る場合だけ。
居ないとは限らない、だって此処は香港だもの。

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