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契約的束縛・誘惑なる秘密
第25章 香港ー囚われの美波

(思い出して!
仁科さんの目を盗んで、ちょこまか歩いたじゃないの!!)

前に香港を歩いた時の感覚では、もう少し行けばツインドラゴンのテリトリーとの境界線だった筈。
その場所だったら誰にも邪魔はされない、私的にはそう思うの。
……ただこれは私の予測だけど。

仲良く話ながら歩く、レンさんとウードゥさんに付いて歩いて十分くらいかな?
私が目指していた目的地周辺まで来た。
だから、だから私は二人の前に姿を現す。
これが大事になる前触れ……そうとは全く思わずに。

「……少し、話良いですか? ウードゥさん、レンさん」
「サザンクロス!?」
「え?マジ!?」

驚きが隠せない二人に向かって歩く私。
本当は再会なんて望んでいなかった。でも今の私は確かめなきゃいけない。
香港から離れている間に、二人がどちら側に付いたのか。
もしツインドラゴン側だったら……。

「今日のあの場所のショーに、ミングイさんとロンチャンさんが居たのを知っていましたか?」
「ミングイのオッチャン?
オッチャンは暫く姿を見てないぜ。勿論店も開けてない。
それなのにショーに居たって言うのかサザンクロス?」
「姿を見ていない?
それは消えたという事??」

……え?
ミングイさんのその話は、私は聞いてない。
仁科さんは?
聞いていたの、それとも知らなかったの?

(……仁科さんだから……知って……いたと思う)

私だけが知らなかった。
それは、仁科さんが敢えて隠した、そう思ってしまうのは仕方がないでしょう?

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