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契約的束縛・誘惑なる秘密
第25章 香港ー囚われの美波
(そしてヂャン・ミングイを取り返す事が出来れば、美波の不安も少しは解消するでしょう。
……確か、一石二鳥とか言いましたね)
美波がヂャン・ミングイの所に行きたがっているのは気付いているんです。
偶々報告を聞いたのが後になり、美波に伝えられなかっただけのこと。
それとも、ルークが先に伝えているんでしょうか?
ヂャン・ミングイを確保し、ミン・ロンチャンの真意を確かめる。
効率的と考えれば効率的とも言えるが、全く危険が無い訳もなく……。
(どの様な罠を用意してくれるのでしょう?
あまり私を落胆させないで下さいよ)
久し振りに、私の遊びが入っているのは否定出来ないが、このような機会は中々あるものでもない。
だからこそ、暫くは様子見をして相手の出方を見たくなるのは致し方ないと思いますよ?
「入りますよ、美波、ルーク」
思いはともかく、先ずは美波と相談……そう思い、美波達が居るであろう控え室を開けて見れば。
「ルーク!?」
そこには床に倒れたルークだけが、部屋に存在していた。
慌ててルークを揺さぶるが、そこで気付いてしまう。
……これをやったのは美波だと。
「ルーク……ルーク!
しっかりなさい!!」
「…………うっ」
ルークの躰に美波の力の痕跡があり、その美波はこの部屋には居ない。
短時間の間に、何を考えましたか……美波!?