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契約的束縛・誘惑なる秘密
第28章 香港―苦痛とレリース
「それが必要だと思った。それだけの話」
「……ルーク……」
ルークの気持ちも知っている私は、こんな時にどう声を掛けていいのか言葉に惑う。私はみんなが好き、みんなは私が好き、それなのに、私と櫻澤さんが抜け駆けするような気がして……。
「話す事も必要、自分はそう思います。朝には着替え等を用意して来ますので、今宵はごゆるりとお過ごし下さい。そうコンラート様にも話しておきます」
「……そう。分かったわルーク」
「では自分は、ワン・レンを拘束しますので、これで失礼致します」
「なるほど。俺は素直に縄の住人にでもなっているか」
「素直で助かる」
ルークはレンさんを連れて、一番遠い部屋に行ってしまった。リビングに残されたのは……私と櫻澤さん。
「ど、どうしましょう?」
「どうすると言われても、俺ですら困りそうだ。とにかく風呂だ風呂! 洗い流したいだろ?」
「それはまあ……」
半ば呆れた感じで、一番奥の部屋に入って行くの。私も覗いて見たら、そこはひろい主寝室。多少香港ぽさがあるけれど、何処にでもあるベッドルーム、そんな感じも受ける。
勝手知ったると言わんばかりに、櫻澤さんはベッドルームにあるバスルームに入り、浴槽にお湯を溜め始めた。
(考えてみれば、私そのまま……)
力で勢い任せに拘束を破壊したけれど、男達の凌辱の痕はそのまま。助けるのと、逃げるのを優先した為、私の躰はまだ男達の残滓が付いたままだと思う。……それは嫌だよね。