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契約的束縛・誘惑なる秘密
第28章 香港―苦痛とレリース
「ルーク、あまり手荒な事は……」
「不安だったら俺を縛り付ければいい。ただ、親父のことだけが気掛かりなんだ」
「レンさんのお父さん?」
「あぁ、ワン・ティェチン、先代からカイザー様の側近をしているが、今のカイザー様は親父を信用していない。俺がこうなんだ、親父の方も何かがある、そう思ってるんだ」
それを聞いて、身を乗り出したのはルーク。
「1つ聞く。あんたの親父だが、今日カイザーと共に居たのか?」
「親父がカイザー様の元から離れる事はない。一緒に居た、それは断言出来る」
「だとしたら、後で情報提供は出来る。コンラート様が、カイザーとミングイを追った。どうやらカイザーには逃げられたらしいが、ミングイ奪還には成功し、やはり今は香港島だ。自分もこれが終わったら合流する予定」
「カイザーとミングイさん!?」
「……カイザー、つまりロンチャンと俺で別々のショーに入り、コンラート・ゼクスとサザンクロスを離して誘き出す、それが計画だったんだ」
つまり私が見たのとは別に、仁科さんはミングイさん達を見て、それで追い掛けた。もし、どちらも見ていたら、こんな事にはならなかったのに、私も仁科さんも1つずつしか見ていない。それが良かったのかは、仁科さんの話を聞かなければ分からないでしょう?
「悪いが拘束はさせて貰う。どちらかと言えば、お邪魔虫にならないようにだが……。自分も拘束が終ればマンションから出ます」
「え? ルーク?」
「ほお、2人きりにして良いのか?」