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契約的束縛・誘惑なる秘密
第29章 歓喜の一夜
櫻澤さんが浴槽にお湯が溜まるのをボーっと見ているのを、バスルームの入り口付近で私もボーっと見てる。今更だとは思うけど、こんな格好の私は凄く恥ずかしい……本当に今更だけど。
「……どうした美波?」
「えっと、その……」
「何恥ずかしがっている? 美波の裸は散々見て来ただろう?」
「それはそうだけど、今になると……なんと言うか……」
櫻澤さんに責め開発された私の躰なのに、いざこうして向き合うと不思議な気分になるの。……ずっとウードゥさんだと思っていたから。それに櫻澤さんがどの程度記憶が戻ったのかも分からないし、私的には心境複雑なのかな?
「??
……来い美波」
「……あっ……」
着ていた上着を脱がされ、私は手を引かれてバスルームに入れられてしまった。
「いきなり浴槽という訳にはいかないだろう」
「じ、自分でやるから。それに服が濡れちゃう」
「服なんか後で脱げばいい」
着ている服もそのままに、私にシャワーのお湯を掛けてくれる櫻澤さん。行動も話し方も、本当に櫻澤さんらしいよ。でもまだ少しだけ戸惑っている私が居るの。
「櫻澤……さん」
「なんだ?」
「本当に櫻澤さん……なんだよね?」
「疑うか? それともウードゥの方が良かったか?」
「違う! ウードゥさんだったら、もう私は関わらないと思ってた。私とウードゥさんでは生きている世界が全く別だもの」
「そうだな。中途半端なイン・ウードゥでは、Cross sels(クロスシールズ)の盟主であるシルバー・クルスには関われない。それで合ってはいる」