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契約的束縛・誘惑なる秘密
第29章 歓喜の一夜

「……いや、あの周防を意図も簡単に攻略するとは……。周防が情に流されるとは思わん。一体何があった美波」
「……お見通し……。
ちょっとだけ力を込めて、組員さん達を吹っ飛ばし、長卓というのかな? 凄い長い卓を真っ二つにしちゃって、組員さん達に私のファンが出来たとか……」
「…………」
あぁ、更に呆れてるよ。私は本当の事を言っただけなのに、凄く霧斗の目が痛い。
「やれやれ、暴力団まで美波の味方か。美波には誰も敵わないな、どんな奴でも美波に惹かれるときた」
「それは違うよ霧斗。私は狙われていると言った筈。私や仁科さんでも手こずる相手、そして仁科さんの力と血を狙っている」
「目的が仁科……」
「正確にはコンラート・ゼクスを狙っているかな。過去に遺恨がある、そう仁科さんは言った。ツインドラゴンのあの腕力の源になったのも……仁科さんの血。仁科さんの意思を無視して、勝手に研究し裏社会に広めてしまった。私達が香港に来たのは、ツインドラゴンとカイザーを潰す為」
「それで香港だったのか。今考えれば、美波達が香港に居るのはあまりにも不自然……。その理由であれば、香港にも来るな」
「これで、だいたいの事は話したと思う」
みんなが集まってから数ヵ月の出来事。かなり集約したけれど、要点だけは霧斗に話したと思うよ。
「日本に居た頃より、更に面倒事になっているな。しかしあの仁科が狙われるとは驚きだ」
それは私も同じ……うんん、こんな事は誰も予期していなかった。ドイツで偶々気になり追い掛けた仁科さん、そこからこの複雑な出来事が始まったのだから。

