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契約的束縛・誘惑なる秘密
第30章 香港―明かされる秘密と選択
俺が先頭に立ち、レンが捕まっている部屋に入る。
椅子に縄で縛られ、部屋の中心で大人しくしているレンの姿。此処は物置替わりに使っていて、殆ど物を置いていない部屋。……当たり前だ、元々物なんか無かったんだからな。
「……ウードゥ?」
「どうした?」
「その格好、雰囲気が全く違う。ウードゥは一体何者なんだ?」
「昨日言ったろCross sels側だと。何者と問われれば櫻澤霧斗という名で、日本にあったCross sels地下CLUBの主宰をやっていた」
「櫻澤霧斗……」
「イン・ウードゥの方が仮の名、櫻澤霧斗が本名。それともCross sels中央施設第6階級で、そこそこ偉いって言った方が早いのか?」
「Cross selsの中核かよっ!」
「そうでもない。此処に居る連中から見れば、俺が一番下だ。今の香港は、Cross selsとしてあり得ない程の大物揃いなんだよレン。お前の所の頭カイザーが霞むくらいにはな」
盟主、賢人、どちらもCross sels内では幻と呼ばれる存在。そんな事はお構い無しに居るのが、またらしいんだろう。
まぁ、仁科や美波が構うとは全く思わないが。
「そろそろ威嚇は良いですか主宰? あまりされると、こちらの話が面倒になりますので」
「あぁ、すまんな」
「……この場はコンラート・ゼクスで、金の調教師でも良いです」
「そりゃ嫌みか? ウードゥと時から知っているだろうが」
「念の為ですよ主宰」
仁科の奴分かっていて……。先に手を打ったか全く。