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契約的束縛・誘惑なる秘密
第31章 香港―男達との再会―櫻澤
暫しの休息という自身を鍛える理由で、俺達は海外へと旅立った。俺も宮野もステータスは上がっているんだが、いかせん相手がその上を行く今の状況。
それでも宮野は後方支援で役に立っているが、俺はどうなんだ?
(特殊格闘や銃のスキルは上がったが、香港で使う事もなく……。更に銃は美波が嫌がる)
周防老の一件で分かった、美波は銃を……主宰を殺した銃を憎んでいると。
そんな理由で銃は使えない、残るは格闘だが一昨日の事でこのザマだ。逆に言えば、ルークの能力がどれほど高いか思い知る結果にもなった。
「……本郷さん?」
「あ、あぁ……。とにかくソファーに座り休んでいろ宮野」
「本郷さんだって怪我してるくせに」
「俺はまだ動かせる範囲だ」
強かに痛みは伴ったが、本当に軽い打ち身だけで生活するのには支障は無い。ただし大振りになる調教師は無理だが。
素直にソファーに転がる宮野と、する事もなく茶を淹れ宮野の前に置く俺。こんな時、リラックス出来る音楽でも流せば良いんだろうが、生憎男生活が長い俺では、そんなジャンルが分からないと来た。
「美波に仁科も、何時帰って来るんだろう」
「それを俺に聞かれても分からんぞ?」
「だよなぁ……。日本から離れて二人は変わったよ、何処がと言われたら困るけど、やっぱり変わったと俺は思う」
「美波は盟主になったんだ、変わらないほうがおかしくないか? 仁科ほど隠す事はしないが、美波にも考えるものはある。そう考えるが、事実は本人達しか分からんだろう」