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契約的束縛・誘惑なる秘密
第31章 香港―男達との再会―櫻澤
ドイツでルークに習ったが、本部遺跡は礼を重んじ誓約を重んじると聞いた。
そんな方苦しい場所に、美波は盟主として一年以上居たんだ、変わるのは当然じゃないか?
美波自身が変わった訳ではない、周りの美波に対する目がそうさせた、俺はそう思うんだが……。
「日本で一つ屋根の下で暮らしているんじゃないんだ、多少の変化には目を瞑らないとな」
「分かるけど……美波は自由が一番合ってるって、縛られないで美波していて欲しいんだよ」
「それも分かるが、仕方がない事もあるだろう宮野?」
「やっぱダメなのかなぁ……」
「気持ちは痛いほど分かるがな」
それは美波が望んだ事であり、俺達が口を挟むべきではない。仁科の提案を受け入れたのは美波、本人も後悔していないと言っていた。だとしたら、俺達の方が受け入れてやるべきだろう。
「??
エントランスの方が騒がしくないか?」
「え? ……あ、本当だ。美波達帰って来た?」
「だろうな」
こう……揃って話をしている最中に、騒がしくなっているエントランス付近、全員揃って帰って来た、そう見るべきだろう。
予想通りにリビングに入って来る、美波、仁科、ルーク、それにしても、皆疲れた顔をしていないか?
「ただいま、本郷さん、宮野さん」
「もうこんな時間ですか。こんな時の一日は早いですね」
「これだけ彷徨き回れば……」
話口調は何時も通り、だが内容的に何かがあったのは確か。聞いても良いんだろうか……俺と宮野が。
そう思う前に、口に出るが。