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サイレントエモーショナルサマー
第2章 6月某日金曜日
「も、むり…っ…」
「志保さんのここはそうは言ってないですよ」
アホか。お前と同じ体力がある訳ないだろう。身体は確かに喜んでいる。だって、これまでのどんなセックスよりも気持ち良いのだから。
だが、どんなに気持ち良くたってかれこれ何時間も股を開かされっぱなし、イかされっぱなしで疲れない筈がない。ノンストップで私を責め続ける藤くんは髪型が少し乱れて汗ばんでいるくらいで疲れを感じさせないのがミステリー。
「辞めてって言っても辞めないって言いましたよね」
多分、あの時点で藤くんが遅漏絶倫だと知っていたら保険をかけておいたことだろう。その上にこんなに体力お化けだなんて顔や普段の立ち振る舞いからは想像できなかった。
「あ、んっ…ん、…藤く、…っ…イク…!」
藤くん、藤くん、と狂ったように彼を呼ぶと必ずキスをしてくれる。ぎゅっと中に入った藤くんのモノを締め付けると彼は物凄くサディスティックな笑みを見せる。
「またイっちゃったんですか」
「んっ…だって…、」
藤くんのモノが立派過ぎるのが悪いのだ。その上絶妙な加減でナカを責めてくる。
モノが立派な人はテクニック不足だったし、テクニシャンは大抵弾数が少なかった。これだけなにもかもを兼ね揃えている人に出会ったことはない。
「ねえ、今どんな気持ちですか」
真っ白だ、バカ。気持ち良いしか考えられないし、考えたくない。
「ただの後輩、好きにならない、付き合わないって言ってた俺に今、好きなようにされてどんな気持ちですか」
「わかんない…っ…も、…やだ…」
薄いカーテンの向こう側がぼんやりと明るくなってきていることに気付く。嘘でしょ。そりゃ声も枯れる。
「だから、俺から目逸らすなって言いましたよね」
窓の方へ目を向けていたのはほんの一瞬だったのに顔を拘束され、これが最後とばかりの勢いでのピストン。ベッドの軋む音、結合部からの卑猥な音、藤くんの息遣い。全てが私の耳を犯す。
「あぁ…!」
何度か意地悪を言われた後、鎖骨を噛まれ4度目の射精を感じながら私は意識を手離した。