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第22章 ユキ

「ユキに心配されなくてもちゃんと考えてるよ」

「じゃあ、どうするつもりなの？」


俺の心は決まっているが
このはの心はわからないので返事が出来なかった


「・・・」
黙っていると


「啓介・・・」
「同情・・・」
「なんじゃないの？」


「同情だったらいいがな」
「同情が愛情に変わればいけない事なのか？」
ユキの言葉にムキになってしまう


「本気で言ってるの？」

「だったらどうする？」

「あの子の事が好きって言ってるみたいだけど？」

「あの子じゃない」
「このはだ」


「・・・」
今度はユキが黙った



「そう・・・」
「わかったわ・・・」
「啓介ももう子供じゃないものね・・・」

「本気なのね・・・」

「・・・だって・・・」
「今までの啓介は彼女が居ても結局私を優先してくれてたのよ」

「私の前では彼女を下の名前で呼んだりした事なかったもの」
「ましてや私を家から追い出すなんてね」


「いつか啓介に本気の子が現れると思っていたけれど・・・」

じっと俺を見ながらユキは言う
俺もユキから視線をそらさなかった


「それにしても・・・」

「若すぎるんじゃない？」

少し寂し気なユキはからかう様に言った

「啓介のタイプは私だと思ってたから」
「勝手に年上なんだと思ってたわ」


「あほか」

呆れながらユキに言ったが姉弟だからわかる


きっとユキなりに俺の気持ちを考えてくれたんだろう


「ただ・・・」

「啓介の片思いで終わるかもね！！」


「なんて嫌な事言うんだよ・・・」

なんて不吉な事を言いやがるんだ

そうかも知れないと落ち込む俺が面白かったのか



「あはは～～！！」

「あんなに可愛い子だもの！！」

「せいぜい相手にされる様に頑張りなさいよ！！！」


俺の落ち込む姿に大満足のユキ


「せいぜい相手にされる様に頑張るわ」


ユキに言われなくてもな