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第29章 啓介の本気

「どうしても付き合いたくて・・・」
「悪あがきしちゃいました・・・」

「見っともなくてごめんなさい」


神尾が頭を下げた


「自分がこんなに必死になるなんて・・・」
「思ってもみませんでした」
「私なりの本気の恋でした・・・」



「先輩にはもう何も言いません」
「私が見た事は黙っておきます」
「私が言っても、言わなくても一緒の様ですし」
「これ以上、見っともなくなりたくないですし！！」




「先輩の本気が聞けて良かったです」
「あの子・・・彼女が・・・」
「羨ましいです・・・」


「先輩の事情は理解りませんけど・・・」
「応援したりとかは今はまだ・・・出来ないけど・・・」


「あの時・・・」
「先輩が助けてくれた事が本当に嬉しかったんです」
「恩を仇で返すような真似してすいませんでした」


「先輩・・・」
「本当に・・・」
「ありがとうございました」


そう言って神尾は微笑んだ