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第33章 谷川家

「・・・そうだね」
「パパは嫌な奴だね」
「啓介を叩くんだもんね」


「一緒になって親父の事を悪く言うんだよ」
「でも・・・」


「・・・啓介」
「啓介は本当に他の子よりも強いって思ってるの？」


「だって・・・」
「他の子は先に帰ってるのに・・・」
「俺だけ皆より練習してるし・・・」


「それは・・・」
「啓介が他の子より・・・」
「弱いからだよ」

「他の子より・・・」
「いっぱい練習しないと強くなれないからだよ」


「・・・皆、俺に気を使うって言った」
「俺が・・・息子だからって・・・」


「それは本当じゃない」
「啓介が弱くて・・・」
「パパの子供だから皆、気を使うんだよ」

「啓介・・・」
「悔しい？」


「・・・うん」

「何が悔しい？」


「全部」


「なら・・・」
「もっと、もっと、強くなって皆を見返さないと！！」
「自分の弱さを人のせいにしてはだめ」

「いつか・・・」
「啓介にも理解る時がくるよ」

そう言ってお袋は俺を抱きしめたんだ