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お前がすきでたまらない
第35章 ロマンティック作戦
「あの席のカップル美男美女だね」
なんて会話が聞こえてくる

(さっきまで顔が似てるとか言ってたじゃないか)

俺は席を立った

「わぁ!!」
「あの男の人、背も高いんだ」
「しっ!!」
「声が大きい!!」
「こっちに来るよ」

今更、声を小さくしても遅い

「このは」
「遅いから・・・」
「心配で見に来たんだけど・・・」

「啓介さん・・・」

このはが泣きそうな顔で俺を見る

「どれも美味そうだな」

「・・・そうですね」

このはの手が震えていた


「持つよ」
俺はこのはの皿を受け取り

「どれも美味そうだけど・・・」
「このはの作る料理が一番美味いだろうな」
「俺の彼女・・・」
「いや・・・」
「俺の嫁さん」
「料理が上手で嬉しいよ」

このはが俺の恋人だ
そして
もうすぐ俺の嫁になる


「このはの料理が世界で一番美味いから・・・」
「今晩も楽しみにしてる」

このはの持っていた皿を見ると
俺の好物ばかりをよそってくれていた
そんなこのはが愛しいから・・・
俺の中でこのはの料理が世界一なのは仕方ない


「さぁ」
「席に行こう」
「俺の姉が腹が減ったってうるさいんだ」

隣の二人に聞こえるような大きな声
ユキとは呼ばず姉と呼んだ
大人気ないのかもしれないが・・・

このはを泣き顔にさせる二人にイラついた

お皿を落とす二人を無視してこのはと席へ戻った


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