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冷血な獣
第9章 よんかく

すると鷺沼さんと目が合い。

切れ長の綺麗な瞳に吸い込まれそうになりながら心を高鳴らせていると、鷺沼さんが口を開いた。

「それは――」

落ち着き払った態度で、鷺沼さんはそのまま続ける。

「ありえません。しかし、刺客は出すかもしれませんね」

「刺客……?」

怪訝そうな顔で鷺沼さんを見る龍河さん。

そもそも私、龍河さんと男女の仲でもないし……。

龍河さんが婚約しない理由が私なわけもない。

悲しいけど、さっきはキスだって嫌がられたぐらい嫌われている。


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