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冷血な獣
第10章 無自覚

そんな私の唇を解放し、鷺沼さんは冷たく微笑む。


「どうですか? 灯さん。妃南さんは私とのキスを喜んでいますよ」

「ぐぬっ……お前ら、本当に付き合ってるのか?」


その質問にも笑顔で答え、


「ええ。何なら服を脱がせて、最後までしましょうか?」


私の後ろに立って、私のブラウスのボタンに指を掛けながら余裕そうに笑む。


「……やめろ。見たくない」


龍河さんが私達から顔を背けると、


「残念です」


続けてクスッと笑った。
私は二人のやり取りをぼんやりとしたまま、見つめるだけ。
しかし鷺沼さんから手を握られ引っ張られると、恋人の様に肩へ寄り添う。


「では私と妃南さんは部屋へ戻りますよ。恋人同士、することがありますから」


その言葉に龍河さんが歯を噛み締める姿を見ても、意識が朦朧として無言でいた。




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