この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
冷血な獣
第10章 無自覚
「もっと、して下さい……疼くんです……体が……」
「本当に……貴方は可愛い人ですね」
腰を両手で掴まれたまま、ぐんっと奥まで突き上げられると、意識が飛びそうになる。
「あ、んうっ……!」
それを何度も繰り返され、絶頂が近付くと腰を更に突き上げた。
「い、きます……もう……」
「良いですよ」
「あっ、あっ、あっ、あっ……」
真っ白になる脳内。
一瞬思い浮かんだのは、龍河さんの顔。
好きだけど、もう……。
私には好きでいる資格はない。
「あぁっ……!」
そのまま果てると、床へ崩れ落ちる。
同時にずるりと熱が引き抜かれ、冷静な声が落ちてくる。
「妃南さん、楽になったでしょう?」
その声に返事もしないまま、私の意識は遠退いていった。