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冷血な獣
第11章 本心
……どうしよう。気まずい。
何話したら良いんだろう。
思わず私は無言になる。
「……」
すると、椿さんが明るく話し出した。
「昨日はあれからどうだった? 鷺沼君、優しいでしょ?」
「……」
「ああ見えて結構情にあついんだよ。付き合ったら大事にしてくれるよ」
「……」
緊張して言葉が出てこない。
椿さんには何処か不思議なオーラがある。
明るくて話しやすそうなのに。
どうしてだろう……。
「妃南ちゃんに言っとく事があるんだけど……」
「えっ……」
突然椿さんから太腿を触られると、漸く声が出る。
しかし続けられた言葉を聞くと、絶句した。
「俺、本当は男だからね」