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冷血な獣
第11章 本心
* * *
「椿さん……」
「何? 妃南ちゃん」
「早く……」
浴場から椿さんの部屋へ連れていかれた後、
長ソファに腰掛けた椿さんの太腿へ座らされると、
私は椿さんの首へぎゅっと抱き付いていた。
「早く。なに?」
そんな私を見て、クスッと笑う。
着せられた椿さんのTシャツだけを纏い、上半身裸でジーンズを履いた椿さんに抱き付くなんて。
……どうしたんだろう。
また体が昨晩の様に疼いて仕方ない。
体も、口から漏れる吐息も熱く、意識が朦朧とする。
「……焦らさないでください……」
更にそのまま強く抱き付くと、うっとりしながら椿さんの耳朶へ輪郭にそって下から上へ舌を這わせる。
「こら、ダメだよ。妃南ちゃん」
椿さんから頭をぽんぽんと軽く叩かれても止める事が出来ず、物欲しげに頼み込む。
「嫌です……椿さんと、したいです……」
「我慢出来ない?」
その質問に大人しく頷くと、
「はい……」
今度は椿さんの方からぎゅっと体を抱き締められた。
「ヤバイっ。可愛過ぎる」
まるで子供が抱くぬいぐるみの様に扱われて、一瞬キョトンとしたが。
すぐに嬉しそうな声が耳に入った。
「妃南ちゃん、やっぱり俺のコレクションにしたいなぁ。女の子ではNo.1だよ。男は勿論、灯さんね」
「はい、うれしいです……」
「従順な妃南ちゃん、もっと見たいなぁ」
続けて頬へキスされると、寄り添う様に顔を椿さんの肩へ置いた。
何故言うことを聞いてしまうんだろう……。
よく分からないけど、体と意志が勝手に動いてしまう。
浴場で言われてからおかしい。
『それなら良いものがあるから、俺の部屋においで』
そう言った椿さんから部屋へ連れて来られただけなのに……。