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第12章 強敵

「もう誰にも触らせるな」


背中に回された両腕で、きつく抱き締められる。

すると胸が龍河さんの胸に擦れて、
それだけでゾクゾクと甘く痺れてしまう。


「……、ぁっ……」


淫らだと思われているだろうな……。

けど、体が勝手に……。


「返事は？」


どうしようもない疼きに喘いでいると聞かれ、素直に答える返事。


「はい……」


そのまま頭を大きな掌に撫でられ、優しい声が耳に入る。


「良い子だ」


冷たくても、優しくても、どんな貴方も私を虜にしてしまう。
その証拠に続けられた言葉が、首へ抱き付く私にこれ程ない愛情を与えてくれた。


「妃南、愛してる」