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冷血な獣
第3章 冷血人間の彼女2
――龍河さんって、今までどんな人と付き合ってたんだろう。また何で私なのかな…。明らかに釣り合わないんだけど。
「龍河さん、お食事まだですよね? 夕飯の残りと、ビールもありますけど…」
リビングへ入ると、ドアの前で立ち止まって、後ろを振り向く。同じくドアの前で立ち止まっていた龍河さんは、私と目が合うと無表情のまま淡々と返事をした。
「いや、食事は良い。その前に一回、妃南を抱く」
えっ? 抱く? …そう驚いた時には龍河さんの両腕に包まれており、カーディガンを脱がされた。
「あの、龍河さん…?」
「何だ。嫌か?」
そうじゃない。そうじゃなくて…。
「…一回ですか?」
カーディガンを床へ落とし、続けてシャツのボタンを外していきながら、龍河さんは私の質問に一瞬黙ると、口角を上げる。
「一回じゃ足りないのか?」
「いえ、そういうわけじゃ…」
自分のはしたなさに、顔が熱くなった。