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冷血な獣
第14章 平穏な日常

「嘘。凄い。また同じマンション?」

「奇遇だね。りょう君、一人暮らしなの?」

確かりょう君の両親は再婚の筈だ。再婚と同時に、他の町へ引っ越した。小学校に入学する頃の話だ。

「うん。そうだよ。妃南は……?彼氏と同棲?」

「うん」

「そっか。あの人と、まだ続いてるんだね……」

微笑んだままりょう君は菓子折りを私に渡すと、遠慮がちに質問する。

「ねぇ、部屋に入っても良い?子供の頃の事から今日までの事、沢山話したいな」

「えっ……部屋に?」

私の脳裏には、龍河さんの言葉が浮かんだ。

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