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冷血な獣
第1章 プロローグ
「龍河さん、終電が……もう私、帰らないと」
漸く唇が離れると、口内に残るアルコールとキスの余韻に浸りながら龍河さんを見上げた。
「駄目だ。帰るな」
普段から淡々とした口調で、クールな性格。そんな龍河さんに元々から好意を寄せていた事もあり、すぐには拒めなかった。
「今日はここに泊まっていけ」
「どうしてですか……?私じゃなくても……」
「佐伯。俺と付き合わないか?」
恐る恐る話した私へ、さらりと龍河さんが聞くと、開いた口が塞がらなくなる。