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冷血な獣
第16章 飼い猫
*
とは言え……私、大事な事を知らない。
「ところでりょう君、鷺沼さんの彼女にはいつ会うの?」
結婚するふりをいつするのか、どんな事をするのか、聞く余裕もなくて。
龍河さんとの電話を切った後、ふと思った。
だからりょう君の返事を聞くと、唖然とする。
「明日」
長テーブルの置かれた大広間。
そこには豪華な料理が並べられ、私はりょう君と向かい合う様に座らされ食事する。
まさか明日だとは思っていなかったから、驚いてフォークに刺していたお肉を皿に落としたけど。
「明日の結納の時、皆の前で妃南を紹介するよ」
至ってりょう君は、冷静だった。