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冷血な獣
第17章 花嫁
「聞いてないのか……。それは残念だな」
そう龍河さんは言った後、唐突に私の唇へ口付ける。
優しく触れたと思ったら、顔の角度を変え下唇へ吸い付き、上唇と交互に貪り出す。
「ん……っ」
まさか今されるとは思っていなくて驚きながらも、私は目を閉じて受け入れた。
「……」
チュッ……チュッ……と静寂な部屋に、二人の唇の重なり合う音が響く。
寝起きだからぼーっとして、まだ夢の中にいるよう。
もしかしたら本当に夢かもしれないと錯覚してしまう。
「妃南、舌を出してみろ」
「はい……んっ」
言われるがまま舌を伸ばすと、同時に舌先へ吸い付かれる。