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冷血な獣
第17章 花嫁
「酷いです。全部騙してたんですね……」
鼓動が速まり、声や手と足の先が震える。
「ただのきっかけですよ。涼太様の弱味を握る為でしたが、初めから灯さんは妃南さんの事が好きでした」
鷺沼さんが何を言ってるのかも分からない。どうしてそんな平気でいれるの?
愛を知らないから。冷血だから。じゃあ、何をしても良いわけじゃない。
「今三人でしていたのも、動画に撮影して涼太様と取引する為だったんです」
きっと地獄に堕ちると思われる様な事は、絶対にしてはいけない。
ベッドから降りて、部屋の棚にある花瓶の奥からビデカメラを手に取る鷺沼さんの姿に、私は息を飲む。