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冷血な獣
第6章 振り向かせたい
一週間後の火曜日。昼休憩の時間に自分のデスクでお弁当を食べていると、隣から話し掛けられた。
「妃南、最近龍河さんとどうなの?」
「茶織先輩、特に普通ですけど」
「相変わらずのほほんとしてるわね~」
自分のお弁当を食べながら、ふふっと微笑む茶織先輩。
ばっちりメイクしているのに、スッピンと変わらず美人で羨ましい。
「冷血サイボーグもついに身を固める気になったか~」
茶織先輩が続けて話すと、一瞬面食らった。
「えっ?」
「結婚する気よ、きっと! 先週の土曜、龍河さんが一人でジュエリーショップに入っていくの見ちゃったのよね~」
「ジュエリーショップ?」
ジュエリーショップにどうして龍河さんが?
一人でいるところ想像つかない。
「婚約指輪買ったかもしれないわよ!」
興奮して話した茶織先輩の言葉に、私はまた唖然とした。