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冷血な獣
第8章 嫉妬
* * *
「……なあ、佐伯。もしかして、俺は何か怒らせる様な事をしたか?」
夕飯の時刻になると、私と龍河さんはダイニングテーブルへ向かい合わせに座り、私の用意した料理を食べ始めた。
今日の献立はハンバーグ、サラダ、スープ。
取り分け変わったところは何もない、平凡な食卓。
しかし、何故か龍河さんの顔色が悪い。
何かに怯えている様な、そんな雰囲気まで漂う。
「いえ、別に何も」
ハンバーグをナイフで切り分けると、フォークで口へ運ぶ。
「……じゃあ何故俺のおかずには、三色ピーマンしか並んでいないんだろうか……」
続けて龍河さんから聞かれると、漸く理由が分かった。
「えっ? ……あっ!」
龍河さんのお皿を見ると、ピーマンと赤パプリカ、黄パプリカが並んでいて、
「ごめんなさい! 私、何でこんなことを……!」
慌ててお皿を下げる。