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飼っていたペットに飼われています。
第2章 二人の出会い(サキ目線)

スイと出会ったのはまだ両親が生きていた頃、親戚達と行ったキャンプ場。
幼い私は今より更に口下手で同年代の友達と遊ぶよりも飼っていた魚や植物の世話をしている方が好きだった。
その日もひとり、両親らがいるバーベキュー場から少し離れた湖の前で石を拾って遊んでいると緑色の小さな生き物が歩いてくる。
丸い頭に小さな手足、細長い尻尾。黒に近い緑色で、背には鱗があった。
トカゲのようなワニのような不思議な生き物だったが、サキが近づいても逃げる様子はなく、手に乗せて見ても大人しかった。
日が落ちてきて両親が迎えに来ると、その生き物は逃げるように湖の中に隠れてしまったが、驚くことに次の日の朝も同じ場所に現れて、湖に足をつけるサキの周りを泳いだり、砂浜に描いた絵の上を歩き回ってみせたりして、時が立つのも忘れて遊んだ。
「サキ、帰るわよ〜!」
母の声でハッとした。手の中の小さな親友とお別れしたくなくて涙がポロポロ溢れてしまう。
それでも両親に促され、手のひらから湖に返そうとすると、サキの腕を素早く登って肩に止まり、そこから両親が捕まえようとしても素早く逃げ、サキの体から離れなかった。
「……さき、このこといっしょにいる!」
それまで何かを強く主張することができなかったサキの成長に驚いた両親は、きちんと面倒を見ることを条件に家に連れ帰ることを許してくれたのだった。
水槽の中の彼を見ながら図鑑を調べても同じ生き物はいない。それでもサキは全く気にならず、水辺で会ったその生き物にスイと名前を付けて、学校が終わると毎日公園に連れていき遊んでいた。
優しい両親が事故で他界したのはサキが中学生になった頃だった。
幼い私は今より更に口下手で同年代の友達と遊ぶよりも飼っていた魚や植物の世話をしている方が好きだった。
その日もひとり、両親らがいるバーベキュー場から少し離れた湖の前で石を拾って遊んでいると緑色の小さな生き物が歩いてくる。
丸い頭に小さな手足、細長い尻尾。黒に近い緑色で、背には鱗があった。
トカゲのようなワニのような不思議な生き物だったが、サキが近づいても逃げる様子はなく、手に乗せて見ても大人しかった。
日が落ちてきて両親が迎えに来ると、その生き物は逃げるように湖の中に隠れてしまったが、驚くことに次の日の朝も同じ場所に現れて、湖に足をつけるサキの周りを泳いだり、砂浜に描いた絵の上を歩き回ってみせたりして、時が立つのも忘れて遊んだ。
「サキ、帰るわよ〜!」
母の声でハッとした。手の中の小さな親友とお別れしたくなくて涙がポロポロ溢れてしまう。
それでも両親に促され、手のひらから湖に返そうとすると、サキの腕を素早く登って肩に止まり、そこから両親が捕まえようとしても素早く逃げ、サキの体から離れなかった。
「……さき、このこといっしょにいる!」
それまで何かを強く主張することができなかったサキの成長に驚いた両親は、きちんと面倒を見ることを条件に家に連れ帰ることを許してくれたのだった。
水槽の中の彼を見ながら図鑑を調べても同じ生き物はいない。それでもサキは全く気にならず、水辺で会ったその生き物にスイと名前を付けて、学校が終わると毎日公園に連れていき遊んでいた。
優しい両親が事故で他界したのはサキが中学生になった頃だった。

