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イケないキミに白い林檎を
第5章 狂乱
…………。
……体が重い。
朝起きたら、樹さんはいなかった。
「…………」
帰り支度をしている時、テーブルの上に一言と連絡先を書いたメモが置いてあることに気付く。
【早めに仕事に行くので先に出ます。あとで連絡ください】
スマホを取り出し、メモに書いてあった英数字を入力してID検索をして樹さんを連絡先に追加した。
出てきた名前は違うもので樹は偽名だということが分かった。
本当の名前を知らなくてもセックスをする。
……これがオトナのカンケイなんだろうか。
他の男に抱かれれば、颯太と別れた未練なんてなくなると思っていた。
でも逆に思い出してしまった。
あんなキスやセックスを颯太としてたって……。
結局、他の男と体を重ねても心の中は空っぽのまま。
こんなにも満たされないのはなんで……――