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イケないキミに白い林檎を
第15章 キミともう一度
「んんっ……」
玲亜さんの目の前で、颯太は私に唇を重ねる。
粗っぽく無理矢理で拒みたくとも拒めなかった。
「……さっ…、最ッ抵!!……職場の人と同期に言い触らすわ!もう一生恨んでやる!」
頭に血が上り真っ赤な顔をした玲亜さんは、耳に響くほどドアを強く閉めて出て行った。
男女関係が終わる瞬間はいつ見ても後味が悪い。
颯太と別れたばかりの私なら喜べたんだろうけど……。
「いくらなんでもこんなやり方は酷いんじゃ……」
「勝った奴に可哀想だなんて思われたくねえだろ。玲亜を傷付けたオレが言えた義理じゃねえけど、風子は堂々としてればいいんだ」
「うん……。颯太は玲亜さんと別れて大丈夫?」
「女と別れる時なんて、いつもこんなもんだったからな。怒らせて、泣き付かれて別れてた。
最後に怒らなかった女は風子が初めてだった」
「あの時は混乱してたから」
私よりも玲亜さんを選んで、腹が立つより悲しかった。
だから浮気された当時の私は颯太を責めなかったんだろう。
「今はオレのことをどう思ってんだ?一昨日送ったメッセージの返事くれなかっただろ」