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イケないキミに白い林檎を
第24章 初恋の人
「それは……」
険しい顔をして私を見る海田先輩を前にごくりと唾を飲む。
緊張感が漂う横で莉乃さんが店員さんに大盛りパフェと特盛ステーキを頼んで驚いたけどそれどころではなかった。
「それは……?」
どんな過去が飛び出てくるのか前のめりになって続きを待つ。ゆっくりと口が開かれていくと早くなってくる私の鼓動。
しかし、海田先輩は声を出す前に両手を横に上げて否定するように首を振った。
「……分からん」
「ええ!?仲良しじゃないんですか?」
「そりゃあ、仲は良いよ。でも中学と高校の時に、彼女がいるか聞いてもいないの一点張り。風子ちゃんと出会ってからは、風子ちゃんのことばかり気にしていたし」
「でもプリクラには卒業おめでとうって書いてありました」
「元カノと付き合っていた時に同時進行で風子ちゃんを好きになったってこと?二股しようとしてたとか?」
「そんな奴ではないと思うんだけどなー」