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イケないキミに白い林檎を
第24章 初恋の人
ソラ先輩と一緒に行こうと約束していた花火大会の日の夕方。
私は莉乃さんとファミレスにいた。
海田先輩が仕事から帰ってくるまで暇だから一緒にいてくれると言ってくれて、予定がなくなった私は少し気が楽になった。
「――――それで、彼氏さんとは別れるの?」
「どうするか迷ってます。捨ててくれないこと以外はいい人だから嫌いになれなくて。あんなに優しくしてもらったのもあの人が初めてだったから……」
いっぱい笑って楽しい時間を過ごして、偽りだとしても私を愛してくれたソラ先輩。
幸せだった日々を思い出すと涙がじわっと浮かんでくる。
目尻から流れないように耐えながら鼻水をすすった。
「風子ちゃんは彼氏さんのことが大好きなんだね」