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イケないキミに白い林檎を
第24章 初恋の人
分厚いページを一枚ずつ捲っていき、卒業生一人一人の顔写真が載っているページに辿り着いた。
見たことのない人しかいなくて別の学校のアルバムを見ている気分だった。
「あれ……。風子ちゃんの名前なくない?」
「どうして……?私はここの中学出身のはずなんですけど」
顔写真の下に書いてある名前を全て見てもなぜか私の名字はなかった。
「うーん、風子って名前の子はこの子しかいないし。……あ、これか。名字が変わったのね」
「えっ……」
莉乃さんが指を差した名前は乙羽 風子ではなく“小神 風子”と書いてあった。
これが私の前の名字なんだろうか。
でもおかしい。
両親が離婚したとは聞いたことがない。
しかも先日、二十五回目の結婚記念日を祝ったばかりだ。
本当にこの子が私……?