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イケないキミに白い林檎を
第26章 運命の赤い糸
「記憶を取り戻さないと…私はソラ先輩に本当に愛されないの……」
やり場のない気持ちを抑えきれなくなってじわっと涙が浮かんでくる。
隣に座っている莉乃さんが背中をさすって宥めてくれた。
「だから泣くようなことになるって言ったんだ。風子は泣き虫だからな」
「意地悪で言ってるのかなって思ってた」
「もう人を騙すのは懲り懲りだ。特におまえを裏切ることはしたくねえ……」
懺悔をしているように沈んだ声。
それを聞いた私はスカートの上で握りこぶしを作ってこれ以上泣かないように堪えていた。
あの忠告は私のために言ってくれていたものだったんだ……。
「裏切ることをしたくないなら教えてよ……」