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コーストライン
第2章 黒電話
「ふーん、知り合いなんだ
彼この店で人気あるみたいだよ
彼目当てで来る子もいるって職場の子が言ってた」
「ふーん、家では寝癖ついたままでフラフラしてるよ」
「。。。寝癖って」
スマしているのがちょっと癪に障り、店であったときのお客様に見せた笑顔がちょっと癪に障り、奈美から聞いたモテるって言うのが、なんか癪に障った。
「で、弟さんにまんまと嵌めっられて同居に至ると」
「そう」
今までの経緯について奈美にゲロわされた。
ゲロわされたと言っても、後ろめたいこともなく、清い同居だ。
「ふーん、でも彼って聞いたところによると、来るもの拒まずらしいよ」
「ふーん、でも私興味ないし、カレいるもん」
「イヤ、叶和に男がいるか聞いてないし」
「でも、今日職場で年上のフルゆるの女性と来てたからカノジョいるんじゃないの」
「いませんよ」
テーブルの空き皿を取りに来た圭吾がそう告げる。
「何か追加はありませんか」
ニッコリ、営業スマイルで聞かれた。
家では、殆んど見たことがない笑顔に、叶和はだいぶ癪に障る。
家では気をつかう必要もなく生活のリズムが違うから頻繁にあわないただの同居人にヘラヘラと笑顔を向けることもなかろうとは思っていても。
「ヤバい、どっから聞こえてたんだろ」
「別にどっからでも良いんじゃない」
「フルゆるの女性ってところからです
はい、お待たせしました」
「そこからか良かったー」
「あ、俺の女癖の悪さのゴシップ」
「はほっ」
奈美が変な返事を返す。
圭吾がニヤリと黒笑をみせて飲み物を置いていった。