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コーストライン
第1章 ベルが鳴る
部屋に入り、手に持っていたマグカップを口に運び甘いコーヒーを飲み干し、テーブルの上に置き窓を全開にして叶和は風通しをよくする。
その時、玄関の扉が開閉される音がして家には自分以外の人の気配がなくなった。
窓の外を覗くと圭吾が門を出ていくのが見えた。
頭に巻いたタオルを片手で頭からずらあし水気を取りながら引き出しを開け下着を身につける。
休日、家仕様の楽な服装に着替え、昨夜の名残の残るベットカバー、シーツ、枕カバーを剥ぎ取り丸める。
替えの綺麗なカバーを取り出しベットメイキングを、し直し窓を全開にしたままテーブルの上に置いたマグカップを持ち、バスルームの脱衣場にある洗濯機にシーツなどを放り込みスイッチを入れる。
肩に掛けていたタオルで頭を拭きながらキッチンへ行きマグカップを洗おうとシンクに来てテーブルの上にラップをかけた皿がおいてあった。
その横には、
ーーー食欲があったらどうぞーーー
少し角ばった筆跡のメモがおいてあった。
洗濯が終わるまでまだ時間はある。
叶和はマグカップを洗い終わると、自分好みの甘さに調整したコーヒーを入れ直し、圭吾が作ってくれた朝食兼昼食を有り難く頂くことにした。
ピーピーピー……
洗濯が終わったことを告げる電機音が鳴り響く。
先程、窓から覗いた外は青空が広がっていたため、洗濯設定は脱水までの設定にしてある。
食器を素早く片づけた。