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第4章 出逢い

お母さんのお葬式は、中学校の制服で出たから、喪服なんて持ってなくて。何を着て行こうか迷ってたら、ケイちゃんが黒いシンプルなワンピースを貸してくれた。

告別式の日は、土曜日で。
クリニックは午前診のみだから、通常なら1時頃帰る。偶々先生も午後から予定があって、予約をあんまり入れてなかったから、深谷さんの告別式に行きたい、と先生にお願いして、少し早めに帰らせて貰った。

その日は、雨模様の曇り空で。
でも、まだ雨は降ってなくて。
小春日和の快晴よりは、なんとなく、自分の気持ちにもマッチしてるわ、なんて考えながら、傘も持たずに会場に向かった。

あんまり行かないところだから、電車を降りてバスに乗るのに、出る改札を間違えて。反対側に出てしまって、迷ってたら、バスに乗り遅れて、予定よりも時間がかかった。
会場に着いたのは、開始時間を大幅に過ぎていた。