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パズルー番外編ー
第5章 幸村 順一
「…あの…奥様、は…」

幸村さんはコーヒーカップに視線を落とし。

「亡くなりました。」

と呟く。驚いたけど、どこかで、やっぱり…とも思った。

「持ち物は…まだ処分できなくて。部屋にたくさんある。その服も返さなくていいから。休んで、落ち着いたら帰りな。駅までは送ってくから。それと、名前、聞いてもいい?」

独身…でも、きっとこの人は、疾しい気持ちで私を連れて来たんじゃない、と思えた。

「…吉田…清美です。」

「今、妊娠何ヶ月?お腹はまだ目立たないね…」

「3ヶ月、です…」

「そか。まだ安定期に入ってないんだから無理しちゃダメだよ。」

「……お子さん、いらっしゃるんですか?」

「うん。今3歳。今日は、葬式に行くから実家に預けてる。」

「そう、ですか…どうして…初対面の私に、こんなことしてくれるの…?」

「妊婦さんは放っとけないよ。元気な赤ちゃん産んで欲しいもん…」

やっぱり、いいお父さんだ…私はホットミルクを飲んだ。

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